【中日・朝日新聞 当院記載Q&A】
小学校の検診で、交差咬合(こうさこうごう)と診断され、矯正を勧められました。親の見た目ではひどい出っ歯とか受け口でもなく、少し歯並びが乱れているかなと思う程度です。矯正をすべきでしょうか。
 素人目には歯並びがひどくなくても、交差咬合は危ういかみ合わせになるので、早めに歯列矯正(保険適用外)をお勧めします。
 本来、上あごの歯は全部が下顎の歯の外側(外周)にあるべきなのに、一部分だけ内側に引っ込み、ロックされたような状態になるのが交差咬合です。例えば、上あごの前歯が内側に傾斜して、下顎の歯より内側に入り込み、他の上あごの歯は通常の歯並びと同じく、下顎の歯の外側になっている状態です。この場合、かみ合わせが固定されるので、余裕がなくなってしまいます。噛み合わせは、上下左右に少しの遊び、余裕を持つことで、力を分散させています。交差咬合の場合、常時、物を噛む必要のない寝ているときでさえ、かみ合わせの力が一点に集中しています。やがて、顎関節症や歯周病にもなりやすく、非常にリスクの多い歯並びです。
 いろいろな症例があるので、ぜひ早めに歯科を受診してみてください。
一昨日、子供が歯列矯正(自費診療)の矯正器具を入れたのですが、かなり痛いらしく食事がままならず、流動食やジュースばかり飲んでいます。このまま痛みは継続するものなのでしょうか。
 だいぶ痛いようですね。そんなに痛いようでしたら歯科(矯正)へ行き、今つけている矯正器具の調整をしてもらってください。ワイヤーや器具が飛びだして歯茎に当たっている場合があるので、まずそれを診てもらってください。
 矯正器具はバネやワイヤー等で歯や顎に力を作用させるので、装着中は歯痛や頭痛が出ることがあります。しかし、この痛みは、重要なサインでもあるのです。器具で力を作用させている歯に痛みが起こると、脳はその痛みを感じ取り、歯の神経細胞に「動け!移動せよ!」という信号を送ります。この働きにより、バネやワイヤーで力をかけている方向に歯が移動し、間隔をあけたり狭めたりできるのです。
 器具を付けた当初は違和感や痛みが少々ありますが、それは徐々になれていきます。数日たっても痛みが取れない場合は、矯正器具のバネやワイヤーをより軽度のものに換えたりします。子供は適応能力が高いので、自然になれるケースがほとんどです。
姉妹で矯正治療(自費診療)をしています。姉は永久歯の抜歯が必要で、妹は抜歯無しで治療ということになりました。同じ先生で治療をしていて年齢も大きく変わらないのに、なぜ抜歯の有無が異なるのでしょうか。
 基本的なことで、担当の先生から説明を受けてみえるかと思いますが・・・。
 まず、お二人がよく似て見えれば全く同じような治療ケースになる場合もあります。兄弟姉妹は、私の臨床例からしても同じような治療やケースをたどる方が多いです。しかし、DNA遺伝の違いがあるし、歯の抜けかわりの時期やちょっとした生活習慣の違いなどから、兄弟姉妹間でも治療法が違ってきます。この方の場合、抜歯をするかしないかの違いですが、歯の大きさ顎そのものの成長の具合等を、X線レントゲン写真やCT撮影で判断します。少しの間の年齢の違いで、顎の拡大が可能であったりします。歯を並べる余裕があるかどうかです。
 ただ、抜歯をしたくないからと行って抜歯をしないと、歯のスペースがぎりぎりで余裕がないため、無理に歯を並べると前歯部分が前に突き出し、審美的に問題を生じます。無理に顎を拡大させず、抜歯した方がいいと思われます。
歯列矯正(自費診療)を子供に受けさせようと思います。やんちゃ盛りの小学四年生の息子、もう少し落ち着いてから治療を始めたほうがいいですか?本人は歯並びのことをあまり気にしていないのですが。
 矯正はいつからでも始められます。成人(大人)になられてから矯正を始められる方も多いです。矯正はいろいろな装置を使い、歯を移動させますが、歯の移動量が多いほど歯を支えている骨を退縮させてしまうリスクがあります。成人矯正は一般的に歯の移動量がかなり大きいので、その分リスクが高くなります。小児から始める矯正は、骨が発達途上にあるので、発育形成しようとする力を利用して矯正を行えば、歯の移動量が少なくて済みます。また、治療の価格も、矯正では一般的に歯の移動量が多いほど高くなる傾向にあり、小児から始めたほうがリーズナブルな価格で行えるケースが多いです。
 矯正は治療を受けられる本人の自覚が大切ですが、小児の場合はほとんど親御さんが歯並びを心配されて来院されます。本人が歯並びを気にしていないからといって様子をみているうちに治療の機会を逃してしまうかもしれません。まずは矯正の最初の診断だけでも早めに行かれたらいかがでしょうか。
小学校2年の息子が、私(母)に似て、歯が重なってはえてきているので、歯列矯正(自費診療)の診断を受けました。顎を大きくする装置を早くつけた方が良いと言われましたが、今から始める必要はあるのでしょうか。ちなみに、私も矯正をしましたが、歯が全部はえた後、4本永久歯を抜き、矯正治療をしました。
 昔は、全ての歯がはえそろってから(13才頃)抜歯をし、矯正を行っていました。矯正の治療と高校受験が重なって大変でした。現在では、なるべく早い時期に、骨の発育を利用し矯正治療をします。まず、いろいろな拡大装置(リップバンパー・拡大床ラピッドエクスパンション・BLD拡大装置)などを駆使して、顎そのものを大きくします。現在生えている歯間にスペースをつくり、そこにまだ生えていない歯を誘導し、歯並びを整えていきます。個人差はありますが、中学生になる頃には、歯並びが整い、治療の大半が終わっている状況にもっていきます。
 このお母様のように歯がはえそろってから抜歯をしての治療は、歯の移動量が大きく、時間がかかります。短期間に無理に歯を移動させると、矯正の副作用も出てくるので、早めに治療開始したほうが良いです。
小学2年男子です。前歯の歯並びが悪く、矯正医に相談したら、すぐに治療を始めれば、永久歯を抜かず副作用も少なく早く治療が終わるとのことでした。早く始めるべきでしょうか。また、矯正(自費診療)の副作用とはどういうものでしょうか。
 副作用は①食べかすがたまりやすく、虫歯になりやすい②装置を付けた直後の違和感、痛み③ごく稀に顎の関節が痛む④顎の骨の中に埋まっている歯を動かすので、歯の根の先が丸くなったり、歯茎の位置が少し下がったりする、などあります。
 対処法として、①小さいうちは親が歯磨きの点検をします②違和感、痛みは徐々に緩和していきます③矯正を一時中断し、顎の改善をします④小さいうちに矯正を始め、顎を大きくすることにより、歯の移動量を少なくし、この副作用を低減させます。
 矯正の開始は早い方がいいです。永久歯が生え揃ってから歯を抜く方法だと、特に歯の移動量が多くなり、歯に負担をかけ、副作用も増す傾向にあります。発育に乗じ、顎を大きくし、だんだんと歯を移動させれば、副作用も少なく短期間で治療を終えることができます。
歯並びが悪いので矯正医へ行ったら、上の左側の歯が先欠(せんけつ)といって、先天的に一本足りないことがわかりました。先欠の歯の反対側の右の歯を1本抜くとの事。元から1本足りないのに、さらにもう1本抜歯しなくてはいけませんか。
 先欠の子は非常に多く、歯が足りないのに混みあって生えている場合があります。上顎の歯並びは、特に審美性を考慮する必要があります。抜歯せずに矯正するのも可能ですが、左右の対象性が乱れ、顔の中心(正中)と歯の中心(正中)がずれ、見た目が悪くなる場合が多いので、反対側も抜歯することが多いです。下顎の先欠は先欠の部位を詰めて歯を並べ、反対側の抜歯をしないケースもあります。少し正中がずれても、上顎程、目立たないからです。
 最近ではまず矯正をして先欠の部位にスペースを作っておき、成人後その部位にインプラントをする方法もあります(自由診療)。また重度の糖尿病の方は治療ができない場合があります。
 歯が足りないのに抜歯をするのは抵抗があるかと思いますが、左右の対象性を損なわないために必要です。又、先欠のパターンは様々なのでしっかりとした治療計画が必要です。
現在、矯正治療中(自費診療)です。もうすぐ矯正器具がとれるとの事でしたが、とれた後に元の歯並びに戻ってしまう事はあるのでしょうか。
 矯正器具をはずした時が、終了ではありません。歯の組織が安定するまでの間は、歯が元の位置に戻ろうとするため、後戻りを防ぐように保定装置を装着せねばなりません。矯正器具は、歯や顎に力を加え、理想的な位置に移動させる効力がありますが、保定装置は歯が動かないように一定の場所に保ちます。矯正によって整然と並んだ歯をその場所に固定させるものです。この間、通院は通常3ヶ月〜半年に1回、2年間程度となり、これを終えると本当の矯正終了となります。
 歯並びやかみ合わせは、加齢と共に変化するので、矯正終了後と同じ状態に保つのは困難です。しかし、多少の変化はありえますが、矯正を始める前のようなひどい歯並びにもどる事は滅多にありません。
 又、「親知らず」が横に生えてくる場合、前の歯を押すので、歯並びの乱れや上下のかみあわせの不満が生じる事が多いです。そのような場合、親知らずは抜歯する必要があります。
矯正をしている13歳の子供がいます。上顎の歯の生える場所が足りず、歯が少し重なっています。
一番奥の歯を抜いて親知らずを利用する説明を受けましたが、この方法で良いのでしょうか。
 歯の場所が足りない場合は、奥歯を後方に移動させスペースを作り、そこに歯をきれいに並べたいのですが、一番奥の歯 (13歳ごろ生える第二大臼歯)が生えてしまっていると、もうこれ以上奥歯を移動できません。この場合、一番奥の歯を 抜いてスペースを確保し、その場所に歯を移動し並べます。やがては抜いた場所に親知らずが生えてきます。
 矯正をした子供はせっかくきれいに歯が並んでも、親知らずが生えてくると前の歯を押して、歯並びが再度悪くなってしまいます。 このため親知らずの抜歯が必要ですが、今回はその親知らずを逆に利用するので、本来の歯の本数は確保されます。13歳という 年齢と親知らずを利用したタイムリーな方法とも言えます。
 ただし、親知らずが未成熟だったり、生えてこなかったりする場合もまれにあるので、レントゲン写真でしっかり確認して おかねばなりません。
中学2年生女子です。小学校から歯科矯正(自費診療)を始め、歯は抜かずにきれいになりましたが、少し口もとが出ているので、前歯を数本削ってスペースを作ると言われました。永久歯を削っても大丈夫でしょうか。
 抜歯をしてスペースを作り、歯を並べるのが昔からの方法ですが、骨の発育を利用して顎自体を大きくし、無抜歯で行う治療も可能です。が、無理をすると口がやや突き出る場合があります。まだスペースが足りず歯が並びきれないで突き出しているのです。口の突出がわずかだあれば、歯が隣りあって接している面を許される範囲で薄く削ってスペースを作り、出ている歯を引っ込めます。永久歯ではありますが、ごく薄く微細に削るので心配ないです。抜歯によるスペース確保よりは負担が少ないと言えます。
 しかし、あまりにも口もとが突き出ている場合は、スペースを大きく確保したいので抜歯します。この場合、歯の移動量が多いので並び終えるまで時間がかかります。顔貌の好みもあるので、本人や保護者の方、歯科医が、症例写真等を見て、しっかり検討されるのがいいと思います。
小学校低学年男子です。上の真ん中の前歯2本が八の字のように離れて生えています。受診したら、上唇の裏にある筋を切ると改善すると言われました。矯正(自費診療)しなくても治るのでしょうか。
 上唇の裏の中心に、上唇小帯というひだがあり、上唇とはぐきを繋いでいます。これが厚いと、前歯の中心にすき間ができます。小帯をきると、歯のすき間が自然に閉じてくる場合がありますが、本格的に治すなら専門医にみてもらうと良いです。前歯だけなら局所矯正という方法もあり、中心の前歯4本をきれいに並べます。前歯4本が整然と並ぶと、それにならって、犬歯や小臼歯が生えてきます。前歯4本を揃えることでその後の全てがきれいに生え揃うケースも多いです。しかし、前歯4本はきれいに並んでも、顎が小さいなどのスペースが不足している場合は、八重歯になったり、その他の歯並びが悪くなったりします。この場合は全体的な矯正をおすすめします。また、ごく稀ですが、前歯の間に余分な過剰菌がひそんでいて、前歯が開いていることもあるので、専門医による診断を受けると良いです。
小学2年男子です。前歯の歯並びが悪く、矯正医に相談したら、すぐに治療を始めれば、永久歯を抜かず副作用も少なく早く治療が終わるとのことでした。早く始めるべきでしょうか。また、矯正(自費診療)の副作用とはどういうものでしょうか。
 副作用は①食べかすがたまりやすく、虫歯になりやすい②装置を付けた直後の違和感、痛み③ごく稀に顎の関節が痛む④顎の骨の中に埋まっている歯を動かすので、歯の根の先が丸くなったり、歯茎の位置が少し下がったりする、などあります。
 対処法として、①小さいうちは親が歯磨きの点検をします②違和感、痛みは徐々に緩和していきます③矯正を一時中断し、顎の改善をします④小さいうちに矯正を始め、顎を大きくすることにより、歯の移動量を少なくし、この副作用を低減させます。
 矯正の開始は早い方がいいです。永久歯が生え揃ってから歯を抜く方法だと、特に歯の移動量が多くなり、歯に負担をかけ、副作用も増す傾向にあります。発育に乗じ、顎を大きくし、だんだんと歯を移動させれば、副作用も少なく短期間で治療を終えることができます。
小学3年生の娘の歯並びが悪く、学校の検診で叢生(そうせい)と診断されました。2つの歯科医院に相談すると、一方は歯を4本抜く方針、もう一方は抜かずに治療する、という意見が分かれていて困っています。どちらがいいのでしょうか。
かつては抜歯するのが主流でしたが、矯正器具が開発され、子どもの発育に乗じて顎を大きくすることが可能になったので、無抜歯で矯正ができるようになりました。無抜歯で行うと、顎を拡大し、歯並びをきれいに整えても口元が突き出し、鳥のくちばしのような形になるケースもあります。この場合は、歯を抜いた方がいいかもしれません。
矯正は、審美性という不確かな判断基準をもつので、症状を追いつつ、親御さん・本人・歯科医がじっくり納得のいくように抜くか抜かないかを、相談されるといいでしょう。事実、なるべく抜歯はしたくないという要望も多いのでそれに添って治療しますが、判断は難しいです。ただ、成人の場合、顎の成長は止まっているので顎の拡大は困難です。通常上下2本ずつの抜歯が必要となります。
受け口の幼稚園年長の子どもがいますが、歯列矯正を勧められました。こんなに早く始めなくてはならないのでしょうか。
受け口(下顎前突)は6歳くらいから、少しでも早く始めた方がいいです。子どもの顎(あご)の発育は、まず上顎が発達し、平均して小学校高学年ごろ止まります。身長が伸び始める時期に下顎が発達し始め、丸顔から細長い大人の顔へ変貌します。受け口は上顎の発育不足がほとんどの原因で、本来上顎が発達すべき時期に、下顎は上顎を押さえ発育を妨げます。その後下顎の発育期には、上顎が下顎を押さえ込まないので下顎はどんどん大きくなり、顎が突き出してきます。従って、早くから上顎を前に引っ張り出す装置(フェイシャルマスク)などを使い、上顎を大きくします。これでほとんどの子どもは治療を終えます。
ただ、身長が伸びる時期に下顎が発達しすぎて飛び出してしまうケースもまれにあります。その場合は、下顎の骨を削除して顎を小さくする手術(保険可)が必要となります。
詳しくは歯科医院へご相談ください。
10歳の娘ですが上顎前突(出っ歯)なので、矯正の診断を受けました。上顎前突がひどく、歯と歯茎が噛み合わせていると説明され、中年以降今より前歯が出て、歯周病になりやすく歯がぐらぐらになるかもしれないと言われました。私も娘と同じような歯ですが、そのような状態になるのでしょうか。心配です。
 まず歯並びが悪いと審美性よりも、かみ合わせの悪影響が問題になります。
 上顎前突がひどいと上下の歯がかみ合わず、上の前歯の歯ぐきと下の前歯が噛み合っていることがあります。歯と歯で噛み合わせていないので、かみ合わせの力が上の歯ぐきにかかります。本来、歯と歯でかみ合わせるべき力が、歯ぐきにかかってしまうので、歯の根っこに過重な負担を長年かけ、歯周病になりやすくなります。中年以降、歯がぐらぐらになる危険性は大きいです。
 歯並びは顔つき、骨格と同じ要素なので、親御さんも出っ歯ならば、同じような状況も予想されます。この場合は上顎前突がひどい症例のようですので、同じようになるとは今はわかりません。心配だと思います。まずは歯の状態を調べてもらってください。矯正治療は自費診療となります。
小三の息子です。歯が出っ張ったり、奥にはえてガタガタの歯並びになったりしています。矯正をしてやりたいのですが、器具をつけるのを嫌がりそうです。そのような状態でも矯正治療(自費診療)ができるのでしょうか。
 親御さんとしては、矯正をしてやりたいけど、お子さんの反応が心配ですね。確かに、矯正治療の器具を装着したときの違和感は相当のものです。しかし、器具は徐々に慣れていきますし、器具をつけて顔貌(かおつき)も変わってくるので、本人の自覚もでてきます。
 矯正は、親御さんとお子さん本人の協力姿勢が必至です。毎日、一定時間以上器具をつけねばなりませんし、器具をつけると、むし歯になりやすいので、こまめに歯の清掃をしなければなりません。本人の自覚がでる大人になってから、矯正をされても良いとは考えます。しかし、小児のうちに矯正を行った方が、歯の移動量が少ないし、顎自体を大きくする比率も良いので、小児期に開始した方が断然有利です。矯正を早く始めて、10代後半には歯並びが美しくなっていた方が得策なのではと思います。一歩を踏み出す勇気も大切です。
5才の男児。指しゃぶりをします。指しゃぶりは歯並びを悪くすると聞きましたが、どんな影響がありますか。
 5才になっても、まだ指しゃぶりをしていると、上の前歯と下の前歯の間にすき間ができます。歯をかみ合わせても、かみ合いません。開口(かいこう)といって、ひどくなると顎の骨も変形してきます。
 他にも、開口の原因として、前突出癖(物を食べる時、普通舌を上顎につけて物を飲み込みますが、舌を前歯の裏側につけて、物を飲み込む癖)があります。また、下唇を上の前歯でかむ癖も、開口になりやすくなります。
 指しゃぶりは癖なので、いくら注意してもなかなか治らないし、指しゃぶりの癖を治すこと自体が、精神的ストレスにもなります。早めに矯正歯科医に相談してください。
 治療としては、タングガードという簡単な装置をつけていると、徐々に治っていきます。前歯の永久歯がはえそろった後の開口治療は困難ですし、費用も高くなります。すべてが乳歯のときの治療が理想的であり、前歯の永久歯がはえきる前の治療が大切です。しかし、前歯の永久歯がはえきった後も、あきらめず早めに矯正歯科医に相談してください。
小学2年の女児です。前歯は永久歯にはえかわりましたがガタついています。歯医者に行ったら、ガタついて格好悪い前歯を矯正できれいにする、部分矯正を勧められました。全部矯正をするより費用は安めですが、大丈夫でしょうか。
 すべての歯を矯正していく全顎矯正(一般的に歯列矯正はこれをいいます)は、費用も高額ですし、期間も長くなります。しかし、部分矯正は前歯部分をきれいに並べることに特化しており、全顎矯正より費用期間の点で負担が少ないといえます。しかも、目をひき、気になるのは前歯なので、前歯がきれいになるのは大切です。
 部分矯正は、歯並びの悪い前歯のみを矯正器具で歯がきれいに並ぶよう、移動固定します。歯の状態によりますが、前歯がきれいに並べば、奥歯も前歯にそってきれいに生えてくる事も多いので、部分矯正でも全体的に良い歯並びになる事もあります。奥歯も矯正が必要になる場合は、部分矯正の途中から全顎へ変更することも可能です。ただ、今回、前歯部分はきれいになっても、奥歯はきれいにならないかも知れない事の説明を受け、納得されている事が重要です。部分・全顎矯正ともに自費診療で医療費控除の対象です。
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